わかると楽しい!2次関数の解の存在範囲と対数の融合問題~東京海洋大学海洋工学部の数学過去問

二次関数の解の存在範囲,基本

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今回は、2次関数の解の存在範囲についての入試問題を丁寧に解説します。

それではさっそく問題を見ていきましょう。

黄色チャート『2次関数の解の存在範囲』の練習問題に対数をまぜて、ちょっとだけ難しくした、というレベルですね。

aは定数でa>1とする.
xの2次方程式 \(x^2-2a^tx+a=0\) が
aより小さい2つの異なる実数解を持つような実数tの値の範囲を求めよ.

題材:東京海洋大学(2017年)海洋工学部
難易度★★★☆☆☆☆☆☆☆

まずは、\(f(x)=x^2-2a^tx+a\)と置いて探っていきましょう。

\(f(x)=0\)の解が、aより小さい2つの異なる実数解を持つ条件を、以下に3つ列挙します。

ひとつめ

解の判別式の値が0より大きい‥‥①

これは、2次関数とx軸との交点が2つあるための条件です。

この条件を満たさないと、そもそも交点が2つ存在しないことになってしまいますよね。

ふたつめ

\(f(a)\)の値が0より大きい‥‥②

『\(f(x)=0\)の解が、aより小さい2つの異なる実数解を持つ』ということは、

2次関数のグラフとx軸との2つの交点がx=aよりも左側に存在しなければいけません。

その状況を想像してみると、x=aのときのグラフの高さは、プラスの領域になければならないことになります。

ただこの条件だけだと、次の二つの状況が想定されるので、ここでもう一つの条件を登場させて、さらに限定します。
二次関数の解の存在範囲

みっつめ

二次関数の軸のx座標の値がaより小さい‥‥③

この条件を加えることで

2次関数のグラフとx軸との2つの交点がx=aよりも左側に存在してくれることになります。
二次関数の解の存在範囲2

以上、3つの条件を満たすためのtの範囲を探っていくことになります。

2次関数の解の存在範囲からtの範囲を探す

解の判別式の値が0より大きい‥‥①

まずはこれですが、解の判別式をDとすると

\(\frac{D}{4}=(a^t)^t-a>0\)となります。

よって

\(a^{2t}>a\)

a>1というのが問題文に条件としてありましたので

指数同士の大小関係はそのまま

\(2t>1\)となります。

ゆえに

\(t>\frac{1}{2}\)

これが①の条件より導き出されたtの範囲です。

次に③の条件を探ります。

二次関数の軸のx座標の値がaより小さい‥‥③

二次関数の式を平方完成させて頂点のx座標を求めます。

ちなみに、公式

\(ax^2+bx+c=0\)の二次関数の頂点のx座標は

\(\frac{-b}{2a}\)である。

を使っても容易に求められます。

参考講座▶裏技!簡単に二次関数の頂点の座標を求める3つの方法と小技テクニック

平方完成させると

\(f(x)=(x-a^t)^2+a-a^{2t}\)となり、

この二次関数の頂点のx座標は

\(a^t\)となります。

これがaより小さいので

\(a^t<a\)

となり、ゆえに

t<1

が③より導き出されたtの範囲となります。

\(f(a)\)の値が0より大きい‥‥②

まず、\(f(a)\)>0を表現します。

\(f(a)=a^2-2a^t \cdot a+a>0\)

a>0(つまり、aはゼロでなくて、なおかつ正の符号)なので、

不等号の向きは変わらずaで割ることができます。

したがって不等式の両辺をaで割るとこのようになります。

\(a-2a^t+1>0\)

これを変形して

\(a^t<\frac{a+1}{2}\)

a>1なので

両辺のaを底とする対数をとると、不等号の向きは変わらず

\(\log_aa^t<\log_a\frac{a+1}{2}\)

となって

\(t<\log_a\frac{a+1}{2}\)

となります。これが②の条件より導き出されたtの範囲です。

tの範囲の絞り込み

さて、3つの条件からtの範囲の条件がこのように導き出されました。

\(t>\frac{1}{2}\)

t<1

\(t<\log_a\frac{a+1}{2}\)

これらにすべて共通するtの範囲が求めるtの範囲ということになります。

お気付きの通り、ややこしいのが

\(t<\log_a\frac{a+1}{2}\)ですね。

つまり、ここで

\(\frac{1}{2}\)1\(\log_a\frac{a+1}{2}\)
の大小関係を求めよ。

という問題を解く必要がある、ということですね。

その手順はこちら↓に詳しく解説しています。

関連講座▶対数の大小比較の練習問題

結局これは

\(\frac{1}{2}<\log_a\frac{a+1}{2}<1\)ということになって

tの範囲をそえぞれ数直線上で書き記すと、このような状況になりました。

二次関数の解の存在範囲3
\(t>\frac{1}{2}\)

t<1

\(t<\log_a\frac{a+1}{2}\)

なので、この共通範囲を求めて

\(\frac{1}{2}<t<\log_a\frac{a+1}{2}\)

が求めるtの範囲ということになりました。

以上、今回は二次関数の解の存在範囲と対数が登場する基本レベルの問題を解説しました★

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