裏技!簡単に二次関数の頂点の座標を求める3つの方法と小技テクニック
今回は、二次関数の頂点の座標を求める方法(裏技というか小技テクニック)をご紹介します。
前回は、あたえられた二次方程式を平方完成することによって、頂点の座標をもとめる練習をしました。
今回は、平方完成をしないで、二次関数の頂点の座標を求める方法を解説していきます。
やり方は二つあって、ご覧のように、すでに頂点のx座標を文字で表現したものを当てはめるという方法と、因数分解によって求める方法とがあります。
つまり、全部で3通りの方法があるわけですね☆
それでは解説していきます。
まず一つ目の方法ですが、
頂点のx座標である
\(-\frac{b}{2a}\)
を使います。
ちなみに頂点のy座標を表現している
ややこしいかたまりは使いません。
また、
\(-\frac{b}{2a}\)
と覚えてもいいですし、解の公式を暗記したときの最初に登場していた
(にーえーぶんのまいなすびー)の部分
\(\frac{-b}{2a}\)
を使っても値は同じになります。
これだと新たに暗記する労力はほぼ必要ないですよね。
使い方ですが、③の問題が理解しやすいので、これでちょっと具体的に見ていきましょう。
③の問題は
右辺にある式の各定数を比べると
a=2
b=-12
となります。
cにあたるのは5なのですが、これは使いません。
\(\frac{-b}{2a}\)
にそれぞれ値を代入して計算すると
3という値になりました。
これがすなわちこの二次関数の頂点のx座標ということになります。
あとはその時のy座標を求めればOKですね。
頂点のx座標が3だとわかっているわけですから、「この二次関数のxが3のときのyの値を求めればいい」ということなので、この二次関数のxに3を代入します。
するとy以外のすべての項が数字になってくれて、yの値が求められる、ということになります。
計算の結果、yの値が-13
ということになりましたので
頂点のx座標が3のとき、その時のy座標は-3ということで、頂点の座標が明らかになりました。
この方法を使って、①から⑥までのすべての二次関数の頂点を求めるとこのようになります。
表の左から右側にむかって順に求めていくことになります。
平方完成の手順を必要としない場合は、この方法で求めてもいいでしょう。
次は因数分解を利用した方法を紹介します。
①の問題で説明します。
この二次関数の左辺であるyに0を代入します。
それによって出来上がった二次方程式は
この関数のyが0の時、xの値は何か?
を求める方程式ができあがったことになります。
つまり、①の二次関数をグラフにしたときに、グラフとx軸とが交わるポイントのx座標を求める方程式ができた、ということになります。
この二次方程式の右辺は因数分解することができます。
x(x-6)になりましたね。
xがゼロのときも、x-6が0のときも、この方程式は成り立つわけですから、そのときのxを求めると、
xは0または6
ということになります。
それをグラフに書き込むと、ご覧のようになります。
グラフとx軸との交点のx座標が0と6なのですから、そのちょうど間に頂点のx座標があるということはわかるかと思います。
もっと正確に言うなら、頂点のx座標の値は0と6の平均の値そのものである、と言うことができます。
なので0と6を足して2で割った値が、頂点のx座標になります。
計算すると3だということがわかったので、後は先程のやり方と同様、二次関数のxに3を代入します。
これは、xが3の時のyの値を求める手順になりますので、これを計算して、結局y=-9だということがわかりました。
この方法で、頂点のx座標とy座標を求める、という手もあります。
次の②の問題も同様に解いてみましょう。
まずyに0を代入します。
出来上がった二次方程式はこの関数のグラフがx軸と交わるポイントのx座標を求めるものになっています。
右辺は因数分解できますね。
たして5
かけて-6になる
二組の数字は
-1と-5なので
それを因数分解された形にほうりこみます。
x-1がゼロになるときも、x-5がゼロになるときも
ともに方程式が成り立ちますので、
その時のxをそれぞれ求めて、
x=1または5
ということになります。
この1と5の平均の値が、この二次関数のグラフの頂点のx座標の値になりますので
たして2で割ります。
3になりましたね。
あとは頂点のx座標である3を、もとの二次関数のxに代入すると、xが3のときのyの値が出てきてくれるというワケです。
どうでしょうか?
ちょっと慣れてきたかと思います。
最後に⑦を新たに登場させて終わりにしたいと思います。
というのも、③から⑥の問題は因数分解をすることが困難なので、この方法は適さないからです。
⑦の問題は、ご覧のように、たすきがけによる因数分解によってグラフとx軸との交点を求めることができます。
ただ、ここまで因数分解がややこしくなると、最初に紹介した
\(\frac{-b}{2a}\)
に代入して求めるほうがてっとり早いですね。
問題によっては、最初からグラフとx軸との交点が判明している時もあります。
その場合は、この発想で頂点を求めさせることも考えられますので、どちらにせよ知っておいてほしい考え方です。
以上、今回は平方完成を使わないで二次関数の頂点の座標を求める裏技(小技テクニック)を解説しました。
また、こちらも内容の近いものですので、二次関数の教科書レベルの基本をマスターしたい方はご覧いただいて理解を深めてください☆
ご覧いただいて、どうもありがとうございました☆