反復試行&さいころの確率の良問~数学Aの定期テスト(標準レベル)対策に!日本大学N方式1期
今回は、数学Aの単元である、反復試行や確率の基本性質について、定期テスト(標準レベル)の入試問題で練習してみましょう。
また、この練習問題では、場合の数を考える時に、選び方と並び方を分けて考えることで、スッキリと解けるということも体感してもらいたい例題です。
それでは日大の良問(入試問題数学)を通して、今回のテーマを理解していきましょう。
確率の基本性質と反復試行の練習問題~さいころの確率
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1個のサイコロを4回投げて出た目を調べる (1)奇数の目、偶数の目がともに2回づつ出る確率を求めよ。 (2)4回とも異なる目が出る確率を求めよ。 (3)例えば、1,1,2,4 のように、奇数の目、偶数の目がともに2回ずつ出て、かつ少なくとも2つの目が同じとなる確率を求めよ。 |
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題材:日本大学(2014年)N方式1期 |
難易度:★★☆☆☆☆☆☆☆☆
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(1)奇数の目、偶数の目がともに2回づつ出る確率を求めよ。
反復試行の確率の問題です。
奇数の目が出る確率は\(\frac{1}{2}\)ですね。
4回投げたうち、2回だけ奇数の目が出る確率は
\(_{4}C_{2}(-\frac{1}{2})^2(1-\frac{1}{2})^2=\frac{3}{8}\)
となります。
\(_{4}C_{2}\)の部分は
偶数、奇数の出てくる順番のパターンの数になります。
遇数→偶数→奇数→奇数
遇数→奇数→偶数→奇数
遇数→奇数→奇数→偶数
の3通りと、この3通りに対し、偶数と奇数を入れ替えたさらに3通りの
奇数→奇数→遇数→偶数
奇数→遇数→奇数→偶数
奇数→偶数→遇数→奇数
の、合計6通りがそれにあたります。
つまり
【A】→【B】→【C】→【D】
という4つの箱のどれか2つの組み合わせを選んで、それを奇数とする(あるいは偶数とする)
というような場合の数が、そのまま
\(_{4}C_{2}\)で表現できますよね。
※4つの箱ABCDから二つを選ぶ組み合わせの数ということです。
つづいて2問目に進みます。
(2)4回とも異なる目が出る確率を求めよ。
確率の分母にあたる出る目のパターンは
6の4乗ですね。
4回とも異なる目が出るとすると
最初の出る目は6通り
2回目に出る目は、1回目に出た目以外の目が出ないといけないので5通り
3回目に出る目は、1回目、2回目に出た目、以外の目が出ないといけないので4通り
4回目に出る目は、1回から3回目に出た目以外でないといけないので、3通り
結局、この問題における条件を満たす場合の数は
6×5×4×3ですね。
つまりこれは、異なる6人の中から4人を選んで一列の並ばせる順列の総数
\(_{6}P_{4}\)と同じだということです。※考え方も同じです。
結局この問題で問われている確率は
\(\frac{_{6}P_{4}}{6^4}=\frac{6×5×4×3}{6×6×6×6}=\frac{5}{18}\)
が正解です。
(3)例えば、1,1,2,4 のように、奇数の目、偶数の目がともに2回ずつ出て、かつ少なくとも2つの目が同じとなる確率を求めよ。
奇数だけ同じ数字が出るパターン
(奇数a、奇数a、偶数b、偶数c)
偶数だけ同じ数字が出るパターン
(奇数a、奇数b、偶数c、偶数c)
奇数も偶数も同じ数字が出るパターン
(奇数a、奇数a、偶数b、偶数b)
の3パターンがあります。
それぞれ見ていきましょう。
奇数だけ同じ数字が出るパターン
(奇数a、奇数a、偶数b、偶数c)
【目の選び方】
奇数は出る目が1の目、3の目、5の目と3通りあるので、この場合、奇数aの目は3通りの選び方がありますね。
次に、異なる2つの偶数の選び方ですが、
偶数も2、4、6の3つの目があり、この3つの目のなかから2つの目の組み合わせを選ぶので
\(_{3}C_{2}\)
つまり、3通りとなります。
奇数の目の選び方が3通り
偶数の目の選び方が3通りということで
この場合のさいころの目の選び方は3×3の9通り、ということになります。
【選んだ目の並べ方】
次に、選んだこれらの目の並べ方を考えます。
(奇数a、奇数a、偶数b、偶数c)というように3種類の数字が選び出されています。
これらは出た目の順番に並ばせていると考えて求めてみます。
わかりやすいように
aabcと表記を変えて眺めてみましょう。
これらの並びのパターンを計算すればいいということですね。
この二つのaがもしも違う目だったとしたら
それらを一列に並ばせる総数は
4!通りとなります。
けれどもそれでは本来数えたい場合の2倍数えていることになるので
2で割ると本来の値を求めることができます。
ややこしく書きましたが、結局はこういうことです。
aabcを一列に並べると
\(\frac{4!}{2}=\frac{4×3×2×1}{2}=12\)
ということです。
つまりこの場合の選んだ目を並ばせるパターンは全部で12通りあるということになります。
さいごに
【目の選び方】×【選んだ目の並べ方】が、求める場合の数なので
9通り×12通りで108通りということになります。
偶数だけ同じ数字が出るパターン
これは、先程の『偶数だけ同じ数字が出るパターン』と同じ要領で求めますので
同じ108通りが導き出されることになります。
奇数も偶数も同じ数字が出るパターン
(奇数a、奇数a、偶数b、偶数b)というように
偶数も奇数もそれぞれ1種類しか選ばれません。
なので目の選び方は3通り×3通りで9通りですね。
次に選んだ目の並ばせ方ですが
これは先程の考え方と同様
aabbを一列に並ばせる総数と同じ数になります。
これを求めると
\(\frac{4!}{2!2!}=\frac{4×3×2×1}{2×1×2×1}=6\)
となります。
【目の選び方】×【選んだ目の並べ方】が、求める場合の数なので
9通り×6通りで56通りということになります。
最後に確率を求めよう
これまでの場合の数を合計すると
108通り+108通り+56通りとなりますね。
よって求める確率は
\(\frac{\color{red}{108通り+108通り+56通り}}{6^4}=\frac{5}{24}\)
となります。
いかがでしたでしょうか?
今回の問題のように、選び方と並び方を分けて考えると、整理された考え方の助けにもなりますので、習得していただければと思います。
以上、さいころの確率を扱った、反復試行の要素の問題と、定期テストレベルの良問を解説しました★
また次回お会いしましょう★